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本感想<問題解決ラボ (著)佐藤オオキ:2015年82冊目>

 

問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術

問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術

 

 

メディアで有名デザイナーとして紹介されていたのを機にどんな人なのか興味がわいて、本を買ってみました。

 

www.nendo.jp

 

感想としては、デザインに関わっている、いないに関係なく問題解決に対してなるほどと思う視点、切り口を知ることができてとても面白かったです。

また、本の内容をわかりやすく伝えるためにイラストを設けているところやジョークを交えて口語調な文体にしているところは、さすがデザイナーって思いました。

 

個人的には、この本に書かれてある内容を単に「知っている」ということと、普段の仕事でも使えるよう「理解している」には大きな隔たりがあって、それを埋めるためには相当な訓練が必要だと思いました。

 

簡単に習得できるものは、価値が小さい

 

という言葉を人から聞いたことがありますが、これに当てはめれば、本著の問題解決の思考は習得するまでは大変かもですがデザイナーだけではく、ビジネスマン、学生にとっても大変価値が高いものだと思っています。

 

あと、著者の本を読んでスゴイなと思ったことは、著者の物事を深く観察するという行為です。本を読むのが極端に遅いという話は、普通の人だったら見過ごす内容も認知の間口を広げるためなのかなと思いました。

 

著者は、きちんと
「認知」⇒「理解」→「判断・思考」⇒「記憶」
というプロセスを知っているから、認知の間口をしっかり広げているんですね。

 

<メモ>
・センスよりも『好き』でいられるかがカギ」では、「『自分にはセンスがないから(できない)』と言う人がいますが、自分はセンスよりも『好き』でいつづけることこそが問題発見やアイデア出しにおいて重要だと思っています。

 

・チャンス=「訪れる回数」×「認識する回数」×「掴める回数」
訪れる(呼び込み)は努力量。認識できるかどうかは、リサーチ量と勉強量に比例する。
過去の事例を知ることで目の前のチャンスから得られる見返りの大きさを予測できる。
掴めるかどうかはある程度の運も必要
⇒非常に納得できる、わかりやすい表現だと思いました。

 

・デザインとマーケティングの違い」では、「デザインは、逆算してばかりの仕事です。一方、マーケティングは、これまでの数値や実績、結果を整理して現状に反映させることと言えます。過去の出来事から今に向かってくるのがマーケティングで、『こうなりそうじゃないか』という仮説を立てて、そこから逆算していくのがデザインという感覚です。これは、どっちが正解という話ではなくて、マーケティングの情報がないとデザインもできないと自分は思っています」


⇒デザインは今までの実績、結果も加味した上での絶妙なバランスで飛躍した解決方法、と思いました。

 

・「『素人目線』を持ちつづけるための『もの忘れ』のススメ」は、「あるプロジェクトについて考えているうちは、(抱えている300のプロジェクトのうちの)その1つのことしか考えていないんです。残りの299はすっかり忘却の彼方。しかも順を追って考えていくと、最初の1に返ってくるまでに300ステップもかかるので、いい具合に忘れられる、というメリットも」と、超多忙の著者の裏技が紹介されている。

 

⇒ほどよい忘れが「そもそもそれって何のためにやっているんだっけ?」って立ち返るきっかけになるのかなーって思いました。

 

「人が理解できる領域には4つの階層がある」ことについては、「人の理解できる領域は、階層状になっているように思うんです。一番外には、たとえば数字、スペック、価格というものがきます。これらは、万国共通で理解しやすいレベルです。その内側にくるのは、日々の生活や住んでいる地域において共有できる感覚や、時代の空気感といったトレンドみたいなもの。そのさらに内側に入ってくるのが文化的な要素です。『しっくり』感というのは、この階層の話。最後の中心にあたるのは人の本質的な部分で、それが、美味しいと感じるか、まずいと感じるかというところになります。たとえばアフリカの人であってもアメリカの人であっても日本の人であっても、これは美味しそう、まずそうというのが『なんかわかる』という感覚です。そういう本質的な部分に、体は自然と反応します。たとえば真っ暗闇の中で明かりをぱっとつけたら思わず反応するというのも、直感や本能といった人間として本来備わった要素がある。この4つの階層をどこまで意識しながらモノづくりや企画を考えていくかによって、本当のロングセラーになるか、さらっとワンオフで売れるものになるのか、変わってくる気がしています」

 

⇒これは、目からウロコ、でした。ビジネスを考えるときにも使えるんじゃないかなって思います。例えば、日本でうまくいっている事業を他国に展開する場合、まずスペック・価格はどうか?トレンドはどうか?文化はどうか?人はどうか?って段階的に考えるといいかも

 

「整理、伝達、ひらめき。デザイン思考を構成する3つのカギ」の、「デザイナーに求められる価値は3つに集約されると思うんです。1つ目は、ものごとを整理すること。言い換えると、シンプルにすることです。これだけでも会社や商品開発にとっては大きい価値を生み出します。2つ目は、人に伝える、伝わるコミュニケーション。同じものであっても、しゃべり方によってわかりやすくなったり、つまらなくなったりします。直感的に伝わる伝え方でわかりやすく伝える。親近感のある表現と言い換えられるかもしれません。そして3つ目が、ブレークスルー、ひらめきです。ひらめきとは、飛躍させること。ものごとを何段跳びにも飛躍させてしまうような要素になります。自分もこの3つのバランスを、クライアントや状況に応じて使い分けていきます。実は、『整理』と『伝達』に関しては、デザイナーじゃなくても身につきます。整理するだけでも、これまで見えなかったものがよく見えるようになりますし、伝え方の工夫で目に見えない思いやメッセージを込めることができるようになります。デザインが持つ3つの役割を意識して課題に臨むだけで、今までとは違う解決策が見えてくるはずです」

 

⇒整理、伝達、ひらめき。この3つが高いレベルであればあるほど問題解決力も増していくのかなって思いました。