コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書 458)
- 作者: 川上量生
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/04/10
- メディア: 新書
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現ドワンゴ代表取締役である、川上量生がジブリで見習いとして学んできた知見が書かれています。
コンテンツってなんだろう?っていう疑問に対して、人間の脳が情報をどう処理しているのか?というそもそもところから考えているところが興味深かったです。
ジブリで学んだことをドワンゴのコンテンツを引き合いに考察しているあたり、コンテンツをある程度コンテンツに対してのアウトプットがないと、本に書かれている内容をきちんと理解することは難しいと自分は感じました。
とはいえ、なんでジブリのアニメは視聴率が今なお高いままなのか?ジブリの人たちはどういう風に作品を作っているのか?と興味を持っている人であれば、なるほど思うところは十分あると思います。
個人的にはあらゆる情報を処理する量が主観的情報量と客観的情報量とに分けられて、
いかに少ない客観的情報量で主観情報量を多くできるかがコンテンツである、というのが刺さりました。
<目次>
1章.コンテンツの情報量とは何か?
2章.クリエイターはなにをアウトプットしているのか?
3章.コンテンツのパターンとはなにか?
4章.オリジナリティとはなにか?
<気になったところメモ>
・コンテンツとは現実の模倣=シミュレーションである
・下手な人ほど、線を多く使って描く
・人間は世界を単純化したイメージを脳の中に作り、すぐれたクリエイターはそのイメージを見つけ出す
・コンテンツは3つで成り立つ
(1)メディア(2)対象(3)方法
このどれかが異なれば全く別のコンテンツになる
・押井守によると、映画の構成要素は3つしかない。ストーリー、キャラクター、世界観である。どれを優先するかで映画の種類が決まる。ハリウッドでは、キャラクター、ストーリー、世界観の順。押井先生は、世界観、キャラクター、ストーリーの順で重視している。
・『魔女の宅急便』では、最後にキキが再び飛べるようになるが、その理由が説明されない。それでも観客は疑問に感じない。なぜなら、観客は彼女が飛べるようになることを願っているから。これが「宮﨑駿の魔法」