4,5回ほど本書を読み直してしまうほど、面白いと感じながら自分にとって重要だと直感的に感じさせてくれる本でした。
もう何回か本フレーズ書いているかもですが、「今年1番の本」です。
そもそも、なぜ4、5回も読み直してしまうのか?
それは本に書かれている内容を頭の中で整理して血肉化するのにもの凄いエネルギーを使ったからです。
(実際、まだ消化しきれていないこともたくさんあります。)
私が面白かったのはセルジュ・モスコヴィッシの章です。
彼は差別や格差は「同質性」が高いからこそ生まれると説いています。それを受けて、著者は公正・公平な組織は本当に望ましいことなのか?と問題提起を著者は私達に投げかけています。
こういった、普段私達が何気なく、盲目的に正しいと信じてしまっていることに対して、哲学は「こういった考えもあるよ」と教えてくれます。
そして、それが仮に自分の命題と対立する命題である場合、自分の命題の妥当性についてさらに考えるきっかけとなります。
つまり、自分の考えがもう一段深くなるんですね。
著者は本書で次の4つの力が身につくと書いています。
各内容詳細は本書で書かれていますが、たぶん上記で書いた自分の考えが本当に合っているか?というのは「2.批判的思考のツボを学ぶ」に当たると思っています。
1.状況を正確に洞察する
2.批判的思考のツボを学ぶ
3.アジェンダを定める
4.二度と悲劇を起こさないために
本書は哲学者達の考えを簡潔に説明した上で、現代社会に対する問題をその哲学者の理論を使って洞察しています。
私は著者の思考の深さにただただスゴイという言葉しか思い浮かびません。
オススメです。