- 作者: トーマス・J・ネフ,ジェームス・M・シトリン,村井章子
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: 単行本
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新しいチームにアサインされた管理職の方も十分転用できる内容がこの本には書かれています。また、新卒の方も経営者がどんなことを考えて事業戦略や人材登用、企業文化を考えているかを事例を持って知ることができるので勉強になると思います。
本書の一番の伝えたいポイントは、
着任後の<最初の100日>は極めて大切」
だということです。その理由として、
「自分が会社をどうしたいと考えているか、強く訴えるまたとない時期だから、この期間中は誰もが私の一挙手一投足に注目し、何を言ったかだけではなく、何を言わなかったかにも注意を払ってくれる。逆にこの時に失敗を犯すと、命取りになるとまでは言わないが大きな機会が失われ、取り返すのに莫大な時間がかかる」
と説明してありますが、何もCEOに限らず新しい職場に着く人はみんな当てはまる内容だと思います。
最初の入りを失敗すると、それをリカバーするのってとても大変だと思います。
CEOという役割から早く実績を出すことが求めらているものの、役員とのコンセンサスが取れないまま大胆な改革を行おうとして失敗した事例や、期待に応えようと、達成見込みが薄い目標を掲げてしまい後になって苦しむ話は身近にあり得る話のように感じました。
自分が職場のどの立場にいるかによって捉え方もだいぶ変わってくるのかなと思うものの、私はまず成果を出そうと焦って戦略を練るよりも、まずはその会社の文化ややり方を知るために、初心者の気持ちで学ぶ姿勢をしっかり持つことが大事だと思いました。
あと、巻末には付録として着任100日までに気をつけておくべきことが図を使って簡潔にまとめている点も大変良かったです。
ここだけを抜粋して、手帳に挟んで普段目に付くようにするだけでも大きな効果を得ることができるのではないでしょうか?
新しい職場、プロジェクトに着任した際には読み返しておきたい本です。
<メモ>
・最初の100日にはアジェンダこそが適切だ。アジェンダは大まかな目標や課題をまとめたものだが、どこに力を集中するのかを明確に表現しておくこと
「GAP CEOの5つの質問」
1.ギャップで長く残したいものは何か、それはなぜか
2.改善すべき点を3つ挙げるとすれば、それは何か
3.私に何をしてほしいか。
4.私に何をして欲しくないか
5.消費者の欲求を知る手段としては何が一番重要か?
・よそ者には、ばかな質問が許されるという得難い特権が与えられる
・勉強を始める。公表されたデータや入手可能な社内資料を使って会社の戦略、競争状況、財務内容を評価する
・信頼できる人を探して意見を聞く
・着任前には戦略は決めない。それは間違った不完全なものになる恐れがある
→はやまって決断を下すリーダーは、後で手痛いしっぺ返しを食う
・人間は自分の話を聞いてもらうのが大好きである
・優秀なメンバーを集めただけでは、いいチームにならない。各人が勝手なことをせずにチームとしてまとまる、協力しやすい仕掛けを作る、全員にチームの一員であるという自覚を持たせることが重要
・「もっとも優れた社員、有能なコンサルタントは、仲間にいちばんよく助けを求める人」