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Stats of My Life(おいしい人生を味わうために、コツコツとチャレンジしたことを書くブログ)

韓非子(著者:韓非 2021年58冊目) #歴史 #韓非子 #名著

 

・感想 

 古典はなるべく原典を読むことをおすすめします。というのも、世の中にいろんな古典の解説本はありますが、解説者の意図が混じっていることが多いため、悪い解説本だと間違った理解をする可能性があります。

いい例えかはわからないですが、イチローのバッター理論を、イチローほどの記録をもっていない、単に野球に詳しい人が解説した本は、イチローのバッター理論を100%理解して書いているでしょうか?

 

また、古典を丁寧に読むことで著者の思考プロセスを丁寧に追従することも大事だと思います。もちろん、当時の時代背景や独特な用語が書かれている場合には理解することが難しいことも確かです。

 

しかしながら、端折ったりせずに丁寧に読んでいけば著者が伝えたいメッセージはなんとなくですが、わかってくるものだと本書を読んで体感しました。

 

韓非子が考える法術は、謀臣によって国の治世が危ぶまれることに対する韓非の統治理論です。

 

人間というものが、いかに誘惑、堕落しやすく、利己的といった生き物であるがゆえに、賞と罰とで人間の情というものを可能な限り排除しようとしたのではないか?

 

私は本書を読んで、そう感じました。

 

組織マネジメントを考えている人にとっては、大きな学びがあると思います。

興味が湧いた方は、名著中の名著なので是非読んでみて下さい。

 

・引用

およそ君主に説くことの難しさは、君主に説くほどの内容を自分でわきまえることが難しいというのではない。

ー中略ー

およそ説くことの難しさは、説得しようとする相手の心を読み取って、こちらの説をそれに合わせることができるかというところにある。説得しようとする相手が高い名誉を求める心でいたとしよう。それなのに、その相手に大きな利益を得る話をしたなら、相手はこちらのことを下品なやつで自分を俗物扱いにしていると考え、きっと見捨てて遠ざけるであろう。

 

君主としての道は、必ず公私の別をはっきりさせ、公けの法則を明らかにして私的な恩情を去ることである。

ーー中略ーー

君と臣というものは、利害の打算によって結ばれたものだ。あの困難な局面で、死を覚悟して、知恵をしぼり力をつくして奮闘するなどというのは、法のきまりがってこそ、そうするのである。だから、古代のすぐれた王は、賞与をかかげて臣下をはげまし、刑罰を厳しくして臣下を脅したのだ。賞と罰がはっきりしていると、民衆は死力をつくし、民衆が死力をつくすと、軍隊は強くなって君主の権威も高くなるが、賞罰がはっきりしないと、民衆は功績もないのに賞を得ようと求め、罪を犯しても罰をまぬかれようと考えて、結局、軍隊は弱くなり君主の権威も地に落ちる。