今思えば、現代でローマ史を知ることができることは本当ありがたいですよね。
ローマ共和制は約500年続きました。
ローマ共和制の概要はWikipediaがわかりやすいです↓
巻末でカエサルがブルータス達によって暗殺されてしまいます。
塩野七生さんの作品を読んで感じたことは、カエサルはローマにとって害を及ばさない限りは非常に寛容であったということです。
寛容であったがゆえに、カエサルは反ポンペイウス派に対してスッラ時代のように指名手配書をつくるなんてことはしませんでした。
カエサルにとって戦争というはあくまで手段であって、ローマにとって有益となるのであれば、ガリア人であっても積極的に重要役職を与えています。
寛容さは一過性の恐怖政治よりは、恨みも買いにくいので平和にコトを進めることができます。
けど、この寛容さを曲解して恨みを持ってしまった人たちが、カエサル暗殺を決行しました。
本書ではカエサルの遺言には要職に付くことをカエサルが勧めた人物に、今回のカエサル暗殺に加わった人の名前が書いてあったそうです。
その人はまさか!という思いでひどく狼狽してしまったそうです。
自分はカエサルから冷遇されている。
↓
カエサルの政治は危険である
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同じ同志を持つものと結託してカエサル暗殺を企てる
こう書くと非常に短絡的に見えますが、本人からすれば長年の思いもあったのでしょう。
カエサルの偉大な寛容さは、その寛容さによって恩恵を受けたことを忘れた人たちが自分の気持を消化し切れず、恨みへと変わったというのは悲しいですよね。
なお、本書では反ポンペイウス派VSカエサルのアフリカ戦没も描かれています。
当時の優れた指揮官に求められるスキルと現代では違うところはあるかもですが、カエサルの戦が強い要因はとても気になります。
カエサルと一緒に長年戦ってきた兵たちはカエサルのことどう思っていたのでしょうか?そしてカエサル暗殺をどのように感じたのでしょうか?
そんな想像を巡らせながら本書を読むのはとても楽しいです。
オススメです。