アウグストゥスがローマや属州などの統治を進めていくが本書の主ですが、アウグストゥスの名言である、
「ゆっくり急げ」
という言葉の意味を、彼のふるまいと共に深く知ることができます。
アウグストゥスは身体がそんなに幼少期から大人になっても、それほど身体は強くなかったそうです。
それゆえに、戦争においては友であるアグリッパに頼ることが多かったそうです。
私はアウグストゥスの身体的な弱さが、逆にどんどん仕事を他人に任すことを可能にしたと考えます。
私はアウグストゥスの活躍を知るたびに、アウグストゥスを後継者に指名したカエサルの彗眼のすごさを感じます。
後継者は自分と似たタイプを選びやすいとされますが、カエサルはアウグストゥスであれば自分が仮に死んだとしても、自分が掲げたビジョンを実現するだけの力量があると判断しました。
グランドデザインをカエサルが創り、カエサル死後はアウグストゥスがその実現に注力したように本書を読むと解釈できます。
とても面白かったです。