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Stats of My Life(おいしい人生を味わうために、コツコツとチャレンジしたことを書くブログ)

ローマ人の物語(21) 危機と克服(上)(著者:塩野七生 2022年71冊目)  時間:14分 #歴史 #ローマ

 

 

 

皇帝ヴィテリウスが印象的でした。

 

ヴィテリウスは自国の兵士と対立して勝利はしたものの、敗戦した兵士リーダー層の処刑だけはなく一般兵士への冷遇など、非常に非寛容な振る舞いが周りの反感を買ってしまいました。

 

記述からはヴィテリウスは味方に自国の平和や自国民のため、という行為よりも自身の野心を露骨に周りに見せてしまったあたり、相手や周りに対する想像力の欠如が問題のように感じました。

 

仕事に置き換えると、たまにこういうリーダーに遭遇することがあります。人のためといいながら、自分の野心を第一に考えているのがありありとわかる様は、私からすると想像力が足りないと思わざる負えないです。

(注:野心があること自体はNGではないです。)

 

そういったリーダーから相談や話しかけがあったとしても、相談された側は構えて本心を言わなくなります。

 

こういったチームは連帯感が薄いので、チームパフォーマンスが低くなりがちです。

 

仕事柄、優れたリーダーとはなんだろうか?と考える機会が多くなりました。

塩野さんの下記はなるほどと考えさせられます。

 

無用な犠牲を払うことなしに勝利を勝ち取るのが目的であるからこそ、自軍の兵士たちへの完璧なコントロール力が求められてくるのだ。

一気に圧勝にもっていくため戦略や戦術を駆使するうえでも、配下の兵士たちを完璧な統率化におく必要があった。

だが、この統率力を、五万人もの数の人間に対して行使する能力となると、そうは誰にでも恵まれるものではない。

古代西欧の戦史を見ても、アレクサンダー大王ハンニバルスキピオ・アフリカヌス、スッラ、ポンペイウスカエサルぐらいしかいない。

統率力を欠くリーダーに率いられた軍団は戦士ではなく、野獣の群れと同じなのであった。

 

学べば学ぶほどリーダーは学力よりかは"資質"によるところが多分にあるように思うのは、私だけでしょうか。

 

歴史から今の自分の状況を考察するのは楽しいです。

 

本書も読んで面白かったです。