本書では、プロジェクト計画・要件定義・設計・テスト・保守・移行の一連の流れが理解できます。
私もたくさんのプロジェクトに携わってきました。
常々思うことはプロジェクトマネージャーの手腕如何によって、プロジェクトの風向きが変わることです。
いわゆる炎上案件、もしくはデスマーチと呼ばれるような状況になるかと思えば、前倒しでプロジェクトを早期に完遂するプロジェクトもあります。
意外と前倒しでスムーズに完遂されたプロジェクトって、メンバーは問題ないことを当たり前のように感じたりします。
けど、その裏ではプロジェクトマネージャーが勝ち筋ある計画立てや問題を早期に発見・解決していることはなかなか気づかれない部分だったりします。
改めてですが、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体をリードしてゴール達成に全力を注ぐことが大前提です。
そのために勝ち筋ある計画策定や、円滑なタスク遂行ができるようタスク管理ルールを設けたり、プロジェクトメンバーのパフォーマンスが最大化となるようなチーム編成、メンテナンスをしていく。
何よりも率先してトラブルを解決していくことが、プロジェクトマネージャーには求められると思います。
要件定義の変更、設計・開発での技術的な問題。テストでクリティカルなバグが判明したときの対応。移行時のリソース確保やコンティンジェンシープランの策定。プロジェクトメンバー間のトラブル解決...etc。
プロジェクトマネージャーがカバーする範囲は大きいですし、関係者への説明責任が求められます。
従って、プロジェクト全体理解と伝える力というのはプロジェクトマネージャーの必須条件だと思います。
あと、個人的にプロジェクトマネージャーに求められる必要な能力を挙げるとすれば、
”決める力”だと思います。
例えば、開発手法をAパターンで行くのか、Bパターンで行くのか、メリット・デメリットを整理に方向性を決める。
意外と決めることが億劫なプロジェクトマネージャーは多いです。
理由は自分が決めたあとに、間違っていた場合は糾弾されるリスクがあるからなのですが、一方でリーダーが決めないことにはプロジェクトメンバーは困ります。
決める力を身につけるためには、深いプロジェクト理解や決めた理由を関係者に納得してもらう必要があるので、きちんとロジックを組み立てる必要があります。
ときには間違えた判断をすることはありますが、自ら決める経験をたくさんして改善していくことが重要です。
本書はあくまで、プロジェクトマネージャーとしての立ち振舞いが書かれた基本書です。
どうしてもクライアントのプロジェクト案件を詳細に書くことはNGですが、業界別(例えば、金融業や小売業など)やプロジェクト規模毎(30人月、50人月、100人月など)のプロジェクトレポートみたいなものがあると、より具体的な知見を理解できるのでいいですよね。
きっと、そういった知見は会社内で留まっていることが多いので、誰もが閲覧できるといいですよね。
需要あるかな?そういうサービス立ち上げてみてもいいかもですね。