詩なるものをきちんと読んでのは久しいですが、私の心に刺さるものがありました。
著者のオマル・ハイヤームの本名はオマル・イブン・ニーシャープーリー。数学、天文学、医学、語学、歴史、哲学などを究めた学者であり、ペルシアを代表する大詩人の一人でもある。学問に秀で詩的才能に恵まれた稀有な人物です。
下記は詩の一部引用ですが、全体を通して非常に人間的、抒情的で、人間のはかなさや無常観を感じながらも、人生を謳歌する大切さを伝えているような気がします。
よい人と一生安らかにいたとて、
一生この世の栄耀(えよう)をつくしたとて、
所詮は旅出する身の上だもの、
すべて一場の夢さ、一生に何をみたとて。
あしたのことは誰にだってわからない、
あしたのことを考えるのは憂鬱なだけ、
気がたしかならこの一時を無駄にするな、
二度とかえらぬ命、だがもうのこりはすくない
詩は、短い言葉と韻を踏むことで、それ自体が一つの大きな作品になっていると私は思います。
詩の素晴らしさを知ることができたのは本書のおかげです。
本書は世界でも多く読まれているそうなので、知っておくだけでもいいかもしれないですね。
オススメです。