Third-gig

Stats of My Life

本感想<ざっくり分かるファイナンス-経営センスを磨くための財務- :2016年3冊目>

 

ざっくり分かるファイナンス?経営センスを磨くための財務? (光文社新書)

ざっくり分かるファイナンス?経営センスを磨くための財務? (光文社新書)

 

会計・ファイナンスの入門書としてロングセラーになっている本です。

本書は体系的に会計とファイナンスの違いをわかりやすく説明してくれています。

 

私もその一人でしたが、会計とファイナンスの違いをきちんと説明できる人は少ないみたいです。ちなみに、以下がその違いです。

【会計とファイナンスの違い①】
会計は「利益」を扱う。
ファイナンスは「キャッシュ」を扱う。
ここでいう「利益」とは商品やサービスの売上から、その商品を作ったり売ったりする上でかかった費用を差し引いたもの。「キャッシュ」は現金の入り払い

【会計とファイナンスの違い②】
会計が扱うのは過去の業績。ファイナンスが扱うのは「未来」の数字、すなわち企業が将来生み出すキャッシュ・フロー

 

一回読んだだけでは、わからないところもありましたが2・3回繰り返し読むと
理解が深くなったのか、頭のなかでB/S P/Lのどこのことを言っているのか、関係してくるのか、と全体的な理解ができるようになってきました。

 

本にも書かれていましたが、簿記の勉強=会計・ファイナンスの勉強ではないので
会計・ファイナンスを学びたい方は簿記ではなく、この本を読むことを強くオススメします。良本です。

 

<My備忘録>
資金調達の方法
→有利子負債で調達するデッド・ファイナンスと株主資本で調達するエクイティ・ファイナンスの2種類がある

・商売を始めるには、運転資金が必要。運転資金は資本金とはまったく別。
→資本金はあくまでも調達サイド(BSの右側)運転資金はBSの左側

・運転資金とは支払が先で、回収が後になるときにキャッシュが必要となるときのお金のこと
→運転資金マネジメントの重要性。有利子負債が増える。

・バランスシートは決算日における資金の「調達と運用」を表すもの

・営業活動によるキャッシュ・フロー
→企業がどれだけのキャッシュを生み出す能力を持っているかが分かる
・投資活動によるキャッシュ・フロー
→何に、いくら投資しているかが分かる
・財務活動によるキャッシュ・フロー
→キャッシュの過不足の状況や資金調達方法、財務政策を把握することができる。

キャッシュ・フロー計算書で何がわかるか?
→1年間におけるキャッシュ残高の増減の理由

・フリーキャッシュフロー=営業活動CF + 投資活動CF
→企業への資金提供者である投資家に自由に分配することができるキャッシュ・フローのこと

・投資家(株主と債権者)による違い
→株主は成長性重視。債権者は安定性重視

・ファイナンスは以下の3つの意思決定に関わる
 1.投資に関する意思決定(投資の決定)
 2.その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)
 3.運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策)

・リスクフリーレート
→投資家が国際投資に期待する利回りのこと
・リスク・プレミアム
→リスクフリーレート以上に求める部分のこと

・負債コスト
→債権者が要求するリターンのこと。言い換えれば経営者に要求するリターン(=期待収益率)のこと
一方、経営者からすればこの先銀行などから借入をする場合、あるいは、社債を発行する場合、何%で調達できるかを表した数字

・株主資本コスト
→株主が要求するリターン。それぞれの株主によってリスク認識が違い、要求するリターンも違ってくるため、
それを考慮に入れて数字を出す必要がある。
・株主資本コストの求め方にはCAPM理論が最も多く使われている。

・WACC(加重平均資本コスト)
→企業の資金調達コストのこと。負債と株主資本の額(時価ベース)で、コストの按分計算を行う

・ROIC
→税引後営業利益を投下資本(有利子負債+株主資本)で割ることによって
求めたリターン。事業活動のために投下した資本に対して、どれだけのリターンを
得ることができたか。
ROICが10%で一株50万円で購入したとすれば、1年後には、それが55万円になっているということ

・経営者の使命はWACC以上のROICを上げること。
・ROICとWACCとの差を、EVAスプレッドと呼ぶ。

事業価値とは、企業が将来生み出すキャッシュフローの現在価値の総和

企業価値を高めるためには?
 1.フリーキャッシュフローを極大化して、割引率であるWACCをできるだけ下げる。
    2.余計な非事業資産があるなら、それを売却するなりしてキャッシュに変え、
再投資に回す、あるいは投資家に還元する。
 3.営業利益を多くする。あとは税金をどう減らすことができるかを考える。
   4.設備投資の見直しを行う。

・投資判断のプロジェクトは4STEP

①そのプロジェクトから生み出されるキャッシュ・フローを予測する
②予測したキャッシュフローの現在価値を計算する
③投資判断指標の計算を行う
④その計算結果と採択基準とを比較、基準を満たしていれば投資を行い、
基準を満たしていなければ投資を見送る。

・NPV法
→プロジェクトが将来生み出すであろうキャッシュ・フローの現在価値の算出方法のこと(キャッシュアウトフローの現在価値)

NPV>0 :投資を実行すべき
NPV=0 :投資をしてもあまり意味がない

・IRR法
→価値と価格とがちょうど均衡するような割引率を求める手法

・ファイナンシャル・レバレッジの効果

正の側面は少ない資本で大きなリターンを得られる。負の側面はリスクが増大し、損失額が膨らみやすい

・増配を発表すると、株価は上がる傾向にある
→企業が増配を発表するということは、経営者が将来の業績予想について楽観的に見ていることを意味している。となれば、その企業の株は基本的に「買い」ということになる。ただ、その一方で「将来の投資機会がない」というネガティブなシグナルにもなることに注意が必要。

・自社株取得
→経営陣が自社株を割安だと考えている証拠。
将来にわたって安定してキャッシュ・フローを稼ぎ出せるという経営者の自信とも受け取れる