私は長年サッカーファンでもあり、趣味のフットサルをするのも大好きです。
そんななか、好きなプレイヤーの一人はエジルです。
エジルのプレーは観る物を魅了します。
パスの精度、試合を読む力、的確なトラップ...どれも超一流です。
ジョゼ・モウリーニョからも
「あの美しいパスやトラップ、得点は忘れられない。メストのような選手は監督がつくるものではない。あれは生まれつきだ」
と言わしめた男、メスト・エジル。今回、エジルの自伝が出版されたので読んでみました。
内容は思った以上に深い内容でした。というのも移民問題についての見解から、移籍問題など、普段のスポーツニュースから知ることができない内容が書かれていました。
トルコとドイツの国籍問題については、サッカーが政治に関わるべきではないというエジルはスタンスを取っていたにも関わらず、それを利用する周りが多いことが本当胸が痛い内容でした。
ドイツ代表ではプレーだけではなく、移民騒動とエジルは闘っていたように思います。
一方、サッカーに関する内容については2人の監督の内容が印象に残りました。
1人はモウリーニョ。レアル時代にモウリーニョはエジルに酷い叱責をします。
「2本パスが通ればいいと思っているんだろう。タックルするにはお上品すぎるというわけか。俺はうまいから50%の力を出せばじゅうぶんだと思っているんだろう。
ふん、投げ出すというわけか。弱虫が。泣きたいなら泣け。涙を流せ。おまえは赤ん坊だ。シャワーを浴びてこい。おまえのようなやつは要らない」
今ではパワハラ?になるかもしれない言葉をあえてモウリーニョが使ったのはエジルの当時の弱点を知っていたからなんだと思います。
エジルも反論するぐらいに揉めたものの、後日エジルはモウリーニョに誤りに言って2人の関係は元通りになったそうです。
選手にベストを求めるモウリーニョ。ときには厳しい言葉を言わないとわからないこともある、と思っての言葉なんだと感じました。
もう1人はドイツ時代のエジルをサポートした指導者エルゲルトの言葉
「メスト、私はあらゆる角度からきみを徹底的にきたえる。テクニック、戦術眼、試合の理解、サッカーIQ、運動能力、思考のスピード、感情のコントロール、チームスピリッツ、規律・・・
もちろん選手たちは、プロサッカーとは結果がすべてだと学ばなければいけない。でもユース年代の選手に、とにかく勝たなければ意味がないと教え込むのは間違いだ。そんなことをしたら若者たちは焦り、視野を狭め、神経をすり減らすだろう。トレーニングの目的は今日より明日、一歩成長していること。それを心に刻んだ選手は、黙っていてもいつか優勝杯を手にするだろう」
いい言葉ですね。
どちらも厳しさはあるのはもちろんなのですが、確固たる指導哲学があるように感じました。
エジル好きはもちろんオススメではありますが、内容はスポーツ選手内面に関することや、サッカーで言えば監督との関係、移籍問題等々、多岐に渡って書かれているので普通に読んでいて面白いと思います。