非常に示唆に富む内容で、読み応えがありました。
従来の「利益追求」から、「社会課題解決」を軸とした新しいビジネスパラダイム「クリティカル・ビジネス」を提唱。現代社会が抱える課題解決に向けて、企業が果たすべき役割を再定義します。
ソーシャルビジネスと筆者が定義するクリティカル・ビジネスの大きな違いは、顧客の理解を最初は全く得ていないことです。
なぜなら、クリティカル・ビジネスは今までの通念となっていた考え方を再定義するところから始まります。
なので、大衆からの支持を受けるには、啓蒙し続ける必要があります。
この本を読んだ感想としては、企業のあり方が大きく変わりそうだということです。
SDGsの啓蒙の影響もあるかもですが、顧客or社会に対して本質的な価値提供をしないと投資家や一般大衆からの共感を得ることが難しくなってきた印象があります。
国が変わることよりも、一企業がクリティカル・ビジネスのパイオニアとして、社会運動を兼ねた企業活動をしていくような時代に来ているように感じます。
一方で、これが実行できるためには、まずは既成概念に囚われないようなインプットが必要となります。
また、インプットからアウトプットへの移管についても、最初は大衆から共感を得られないので、今まで以上に強い実行力が問われることになるでしょう。
今後の企業のあり方に、何かしっくりこないと思われる方は一読をオススメします。
<参考:SDGsとは>
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SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき17の国際目標です。
17の目標
- 貧困を撲滅しよう
- 飢餓を撲滅し、食料安全保障と栄養改善を実現し、持続可能な農業を推進しよう
- すべての人に健康と福祉を提供しよう
- 質の高い教育をすべての人に確保し、生涯学習の機会を拡大しよう
- ジェンダー平等を実現し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図ろう
- すべての人に安全な水と衛生設備へのアクセスを提供し、持続可能な水資源の管理を支援しよう
- すべての人に、安価かつ信頼できる持続可能なエネルギーへのアクセスを確保しよう
- 経済成長を促進し、すべての人にとって包括的かつ持続可能な雇用とディーセントな仕事を提供しよう
- レジリエントなインフラを構築し、包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、イノベーションを推進しよう
- すべての人に不平等をなくし、あらゆる形態の差別を撤廃しよう
- 安全な住みやすい街と地域を作ろう
- 気候変動の取組を強化し、その影響に適応しよう
- 気候変動と闘い、その影響に適応するための具体的な措置を講じ、レジリエンスの能力を向上させよう
- 海洋、海、海洋資源を保全し、持続可能な利用を促進しよう
- 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用を促進し、生物多様性の喪失を阻止しよう
- 平和的かつ包摂的な社会を促進し、すべての人々のために司法へのアクセスを提供し、すべてのレベルにおける効果的でアカウンタブルな制度を構築しよう
- パートナーシップのための目標を強化し、持続可能な開発のための手段を活性化しよう