zashii-1434

Stats of My Life(おいしい人生を味わうために、コツコツとチャレンジしたことを書くブログ)

人間の内面をえぐり出す描写がスゴイ:「沈まぬ太陽(2)」(著者:山崎豊子 2023年32冊目) #山崎豊子 #沈まぬ太陽 

 

立て続けに起こる、飛行機事故。本書でもハインリッヒの法則が述べられていました。

 

ハインリッヒの法則(Heinrich's law)は、1930年代にH.W.ハインリッヒによって提唱された労働災害に関する法則です。この法則は、労働災害の中で重傷や死亡事故が起こる原因は、軽微な事故や違反行為などの小さな事象が積み重なって発生するというものです。

ハインリッヒは、重傷や死亡事故が発生する前には、多くの軽微な事故や違反行為があると考え、これを「ハインリッヒのピラミッド」と呼ばれる図式で表現しました。この図式によれば、1つの死亡事故に至るまでには、29件の重傷事故、300件の軽傷事故、3000件のほんの些細な事故があるとされています。

この法則は、安全衛生管理において、予防策を講じる上で有用な考え方とされています。ハインリッヒは、事故を未然に防止するためには、軽微な事故や違反行為にも目を向け、その原因を分析し、改善策を講じることが必要であると主張しています。

 

飛行機事故に限らず、会社で起こる1件の重大事故の背景には、その徴候となる事象が必ずでている。これが会社勤めをしてきた自分の実感でもあります。

 

本書ではそれが組織の腐敗や隠蔽体質によるものであることが主張されていますが、目の前の、自分だけの利益しか追求しない人間の愚かさを突きつけられているような気がします。

 

本書で主人公の境遇を読むたびに、僻地に飛ばされても腐らずに職務を全うしつづける意思の強さに感銘しました。

 

GWはたくさんの本を読むことができて幸せです。