山本さんの著者の本を読み漁っている。学ぶことがたくさんあるからだ。
分野は違えど、山本さんは同じコンサルティング業界出身であること。また、山本さんが経営戦略専門ということで、本書に書かれている経営戦略論は簡単ではあるけれど、簡潔にまとまっている。
この簡潔さには、たくさん経営戦略を学んできた人からすれば唸る内容だと思う。
さらに、山下さん自身がコンサルティング時代に自ら思考の落とし穴にハマってしまったことや、当時の上司からの叱責内容からも、人間味を感じて逆に好感を持ちました。
ミドル(30代〜40代)の症状診断と称して、下記症候群の注意点が書かれていた。内容はとても意義深くて、一部は自分が陥っている症状もあった。
・思考習慣病
・現実認知拒否症
・後追い適応症
→変化に必死で追いつこうと努力する人。一種のボリュームゾーン。しかし、世の中の変動性が大きいという条件のもとでは、上司から与えられ、指示された仕事をこなあすアプローチは悲劇を生む。
→今の仕事を一生懸命やっていたら大丈夫。受け身
→先手を取って、自分から会社の未来、自分の仕事の未来、そして自分の未来のあるべき姿、ビジョンを考えるしかない
・原因他人批判章
・方法論依存症
→仕事を効率化しなくてはと仕事術に関する読書に勤しみ、手軽なキャッチ・コピーに踊らされる
→違う仕事術の本や自己啓発書に手を出す。一時の心の平安を取り戻すだけ。何も変わらない
・プロ意識過剰症
→自分の担当の両分を超えた広い視野、高い視座で考えた絵姿が彼らの口からは語られない。自分の担当する仕事や、チーム、部門を最高のものにすることにはこだわるが、それ以上でもそれ以下でもない。そこに、もっと大胆で、夢のある未来を見せてもらえない。
自分の仕事に対するプロ意識が強すぎて、目線が内側に向いて、小さくまとまっているのも問題。
自分で生き方を選択できる時代は、幸福であることは間違いない。けど、前提は自分の生き方を自分で決められる人のみ、という注釈がやはりあるように思う。
その覚悟さえあれば、どの組織に属していようとも自分を見失うことなく進むことができるように思う。
年齢を重ねるごとに過去の実績、肩書や資格は砂上の楼閣で、
「今、あなたに何ができるの?」
にきちんと答えられる人間でありたいと思いました。
オススメです。