❑感想
内容は思った以上にヘビーで、事例を読むと感情移入してしまって心痛極まりない
感じになりました。
私は子をもつ親には、自分が本書でいう「毒をもった親」かどうかを判別できるぐらいの力を持っておく必要があると思います。
ここでいう「毒になっている親」とは次の義務を果たさない親のことを言います。
・親は子供の肉体的なニーズ(衣食住をはじめ、体の健康に必要としていること)に
応えなくてはならない
・親は子供を、肉体的な危機や害から守らなくてはならない
・親は子の精神的なニーズ(愛情や安心感、常に注目していてやることを、心の面で
必要としていること)に応えなくてはならない
・親は子供を、心の面でも危険な害から守らなくてはならない
・親は子供に道徳観念と倫理観を教えなくてはならない
仮に自分の親が「毒をもった親」であった場合、子が勇気を振り絞って親に訴えても
本書にも書かれている通り、一例として「事実の否定」という行為をします。
結果、問題が改善されないままの状態になることが多いそうです。
そして、そもそも「毒をもった親」に対して著者は
「許さなくいい」
と主張しています。
Amazonの評価を読んで見ると上記主張が本書を読むまで考えられなかった、救われた、と多く書かれていました。
私はいかに世の中的には「親に(疑うことなく)感謝をするのが当たり前」「親には(どんなことであれ)悲しませるのはいけないこと」といった価値観が蔓延しているんだろうって思ってしまいました。
本書に書かれていますが本人がきちんと気持ちを整理しきれいていない「無理な許し」は返って本人を悩ませることになります。
私はこの本を親になった人だけはなく、多くの人に読んで欲しいと心から思っています。
理由として、本書でいう「毒をもった親」に育った人は、自分がそれを乗り越えない限りは同じことを自分の子供にも繰り返してしまうこと。
また家庭に限らず、学校生活や仕事など社会生活上でも問題を引き起こす「トリガー」になり得ることが書かれていたからです。
きっと、この本を読むと問題の本質は「自分と親との関係性」によるものと気づくかもしれません。
そういった意味で本書は「幸せになる自分」を見つけられるきっかけになる本だと思います。
オススメです。本当にオススメです。