続・企業参謀―戦略的経営計画の実際 (1977年) (President books)
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: ダイヤモンドータイム社
- 発売日: 1977/01
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経営を考えるにあたって、本書は「戦略」的な思考方法を提供しています。
戦略的に考えるにあたって1番重要だと思ったのが次の点です。
「灰色に妥協できる柔軟性を持っているか」
⇒つまり、戦う時と退く時、また妥協の限界を常に測定しながら
究極的には自分にとって最も有利な条件を持ち込む
状況の変化に対応できるよう妥協点を常に検討しておく必要があると感じました。
今の会社で企業立案の経験はないですが、それを作成するにあたってのプロセスと
それぞれの作成方法が事例紹介と共に書かれています。
たとえば、企業戦略立案のプロセスは次の順番で進めていきます。
1.製品・市場分析
2.多事業スクリーニング
3.ポートフォリオ管理
4.製品毎代替案の評価・択一
5.実行計画書
6.予算
例えば、1.製品・市場分析は次の番号順に整理をしていく
①.市場動向
・セグメント・ サイズ・成長性・競合・構造・販売・購買動機・価格
②.内部経済
・収益性・コスト
③.競合状態 自社の強さ・弱さ
・シェア・売上の伸び・財務比率・技術力・特徴
④.KFSに対する自社の立場
・製品・価格・販売
あと、業績が右肩下がりのテコ入れの戦略立案時にはホッケー・スティックのような
右肩上がりを描いた戦略を提示することが多いが、よっぽど合理的な理由がないと
実現が厳しい、と書かれていたことについてなるほどなあと思いました。
下記、引用です。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------『そこには願望と期待の入り交じった”明日こそは業績回復”曲線(マッキンゼー社内では、これを密かに「ホッケー・スティック」と呼んでいる)が例外なく示されるからだ。』
ホッケー・スティック曲線とは、「く」の時を横倒しにしたようなもので、今まで右肩下がりで来たものが、ある日突然に屈曲点を迎えて、右肩上がりになるようなグラフ上の線のことである。
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最後に本書を読んで、凄いと思ったのが図のわかりやすさです。
訓練によるものも多いとは思うのですが、何を伝えたいのか、 視覚的に すぐわかるというのは当たり前のようで、スゴイと改めて思います。
私も仕事柄図を作成することが多いのですが大変勉強になりました。
経営戦略を考えるのであれば、本書は一読するようにと他者から薦められて
買って読んでみたのですが、名著だと思います。