ものすごく面白い本でした。
単に脳の機能を説明をしている本ではなく、著者はプロセスをきちんと説明している。
なので、理解するのにかなり時間はかかりましたが(まだ創発のところは理解できなかった)、著者の思考プロセスを追従しようと集中力をかなり要しました。
著者が言いたかったのは、人間の脳は全知全能の神ではないこと。
意識して行動するよりも、無意識の方が日々の行動に影響を与えていること。
けど、意識された世界こそがすべてだと思いこんでしまうフシがあること。
自分のことは自分が一番よくわかっていないかもしれない
これが著者が1番伝えたいことじゃないかなと思いました。
脳を知ることは人と社会の仕組みを知る、重要なツールの1つのように感じました。
とてもおもしろかったです。おすすめです。
<メモ>
・情報として頼りになるのは脳より身体
└脳は感情を行動に整合するように変化させる。身体の事実、つまり作業しているという事実に合わせる
└人間は自分の行動が先にあって、理由探しをしている。
└理由が明確なときはいいが、不明確な場合は勝手に行動の理由を作り出している
└不幸にして、日常生活では自分はウソをついているこちに気づくことは少ない
なぜなら、行動に不明瞭な部分を勝手に脳が理由付けをしているから
・多様性を失った種は滅びる
・ひねくれアリの存在理由、優等生だけではやっていけない
・デキの悪い仲間がいることで、偶然にも最短距離がみつかる
・ときにはマンネリを外して、非合理的なこと、非合目的なことを試す必要がある
・リカージョンする集合体は必ず矛盾を生む
└床屋のパラドックス:以下のような床屋がいる
- 自分でひげをそらない人全員のひげをそる。
- 自分でひげをそる人のひげはそらない。
このとき床屋自身のひげは自分でそるのか?