出口治明さんが脳卒中というニュースを目にして、近況はどうなのか気になっていました。
現在はAPUに復帰されているとのことで 生粋の出口さんのファンとしてとてもうれしく思います。
ただ、脳卒中の後遺症として身体の麻痺と失語症(聞く、話す、読む、書くといった言葉を使った働きがうまくできなくなる状態)があり、出口さんが懸命にリハビリに取り組まれた内容が本書に書かれています。
私がとても勉強になったのが下記引用部分です。
複数の障害を併せ持っている人もいるので単純な計算にはなりませんが、国民のおよそ7.6%が何らかの障害を持っているとされている
上記数字から何らかの障害をお持ちの方は多いことを改めて感じました。
私が出口さんの考えにとても共感したのは
「やりたいことが明確にあると人は簡単に打ちひしがれることはないんじゃないか」
ということです。
本書で出口さんが1番伝えたいメッセージはこのことかもしれません。
人間にできるのは、川に流されてたどり着いたその場所で、自分のベストを尽くすことぐらい
言い方を変えれば、生物の一生は偶然の持つ要素が非常に大きいといえますが、人間は頭でっかちな動物なので、偶然をなかなか認めたくはありません。
人間の意思のほうが偶然の要素を上回ると思ってしまいたいのです。
上記、運命には逆らえないことが書かれているけども、出口さんは自分がAPUの学長として復帰して実現したいことがあるから懸命にリハビリに取り組まれています。
哲学や宗教は、人間が生きていくための知恵を探し出すことから出発したといえなくもありません。
生きていくための知恵は、不幸といかに向き合っていくかの知恵ともいえます。
出口さんには、自分に起きたことに対してどう前向きに、建設的に向き合っていくのか。
確固たる考えを持っているからこそ、ブレない生き方をされているんじゃないかと思っています。
出口さんに興味ある方はぜひ一読をオススメします。
<メモ>
真の発見の旅とは新しい風景を求めることではなく、新しいものの見方を得ることだ