DXという言葉自体がすでに風化し始めて、ChatGPTのようなAIがシステム開発・導入のトレンドとなるかもしれないですが、今でもDX戦略はよくでる話題なので本書を読んでみました。
本書ではAI戦略の事例と伴って、システム導入・開発の事例が多く紹介されています。
システム開発・導入のプロジェクトで当初の目的が達成できたのか、定量的なレポートがなされないまま、プロジェクトが終わった経験を持つ人もいるのではないでしょうか?
つまりは、プロジェクト目標達成があやふやであることを意味します。
それに比べて、ユーザーがいつ商品購入するかの予測をする、というプロジェクトだったら、当たったのか当たらなかったのか、検証が数値的に行いやすい。もちろん、クラウド化などをプロジェクトとして行うことには私も賛成することが多いが、クラウド化をするだけならシステム会社に依頼すれば済む話だ。プロジェクトのKPI設定がしやすいかどうか。客観的数値で検証できるかどうか。これらがプロジェクト選定において大事なポイントになる
ただ、ここにも記載している通り客観的数値で検証しやすいプロジェクトと、そうでないプロジェクトもあることは理解しておく必要があります。
本書を読んで感じたことは、データサイエンティストの重要性です。
データフィケーションとは、今やっている活動をデジタル化するとか、電子化するといった単純なものではない。いうなれば、「日常の何気ない活動を有益なデータに変換すること」であり、また「単発の変換ではなく、恒常的にデータを取り組みインサイトに落とし込めるような仕組みづくりを社内で持つ、またはそのような機能をプロダクトに実装すること」を指す。これはそのまま「DXとは何か」に対するひとつの解ともいえるだろう。
データサイエンティストが有益なデータを導き出すためには、深い事業理解が欠かせないです。
また、DX導入後の社内システムのハード・ソフトからで何がどこまで、どういう頻度でデータ分析できるのかの理解も欠かせないです。
上記から、ハイスキルが要求されるのは間違いです。
さらに、経営者観点から言えばデータサイエンティストには「データを分析して御社の課題を整理しました!」だけではなく、課題解決まで導いて欲しいはずです。
ただ、課題解決力も兼ね備えるとなると、データサイエンティストの域を越えてくるかもです。
本書が販売されてから2年近く経ちますが、個人的には学びが多くありました。
オススメです。