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Stats of My Life(おいしい人生を味わうために、コツコツとチャレンジしたことを書くブログ)

ローマ人の物語8(著者:塩野七生 2021年92冊目) #読書 #歴史 #ローマ

 

 

 

カエサルの魅力に対する考察が書かれていて面白かったです。

 

カエサル自身は美男子というわけではないのに、愛人がカエサルにはたくさんいたとのこと。また、カエサルは愛人の存在を誰にも隠さなかったそうです。

 

女にモテただけでなく、その女たちからも一度も恨みをもたれなかったという稀有な才能の持ち主

と、本書では書かれています。

 

恨まれない、つまりは敵を作らない技術に長けていたんだと思います。

 

どこかのブログで、仕事仲間から人気がある人の振る舞いについて書かれた内容が印象に残っていて、それは、

 

その人が大事にしていることを大事にする

 

上記を仕事仲間から人気がある人は実践しているそうです。

 

例えば、その人が自分の自尊心を大事にしているのであれば、それを満たす言葉を。ある人が自身のプロフェッショナルを大事にしているのであれば、プロフェッショナルな振る舞いに対して称賛の言葉を。

 

きっと、カエサルは女性達が大事にしていることを見抜く能力がズバ抜けていたのではないでしょうか?そして、カエサルの巧みな言葉に女性達は喜んだのではないでしょうか?

 

陳腐な言葉しか出てこないですが、やはり、人に対する洞察はもちろん、相手が欲する適切な言葉を投げかけることができる能力が突出しているように感じました。

 

また、権力もなかった時期のカエサルに多額の借金をしていたことも、カエサルの魅力の1つと書かれています。

 

普通であれば借金には億劫になるものを、カエサルの借金に対する考え方が普通の人とは違うのでしょう。本書ではカエサルの借金を下記分析しています。

 

カエサルにとっての最大の債権者はクラッススであった。

 

借金が少額であるうちは、それは単なる借金に過ぎず、債務者にとっての保証にはならない。だが借金が増大すれば事情は変わってくる。多額の借金をもつことは、もはや「保証」を獲得したことと同じになる。債務者よりも債権者にとって悩みの種となる。あまりにも多額すぎるからだ

 

なお、重要な情報として、借金をしてカエサルは自分の資産を増やすことには使っていないことです。

 

愛人や部下、自身の達成に必要なものにお金を使ったそうです。

 

人には所有欲が根強くあるので、今の現代でもあまりの金持ちはかえって大衆の反感も買いやすいと考えます。

 

私はカエサルにとってはもともとお金はたいして重要ではなかったのではないでしょうか?単なる手段という位置づけをしていたように感じます。

 

本書を読んで、カエサルはやはり人間的魅力が突出した人間であり、カエサル自身が人間という存在を深く知り、言い方をかえれば、いい意味で人の心を巧みに操ることに長けた能力を有していたと考えます。

 

それはリーダーに必要なスキルかもしれないです。

 

良本です。