-労働組合の委員長として、経営陣と泥沼の闘いをした結果、カラチに飛ばされる-
第一巻には報復人事の話がメインで書かれています。
主人公が経営陣に対してもう少しうまく立ち振舞いができればいいのになって、もどかしさも感じつつも、自分の矜持を貫き通す姿には感じ入るところがあります。
私は今まで労働組合が存在している意義だったり、活動内容を全然しらなかったのですが、本書を読んで概要を理解しました。
従業員の安全な職場環境の改善や、給与が不当に低い場合に個人で訴えるのではなく、団体として訴える組織なんですね。
今でこそ労働組合の活動ってニュースになることは少ないですけど、普通に考えれば経営者と労働者は対等な立場として、労働改善を主張すること自体はおかしなことではないと理解しました。
自分にとって不毛地帯は名著だと思っていますが、山崎豊子さんは人間の内面をえぐり出す描写がスゴイと思います。
こんなにも人は他人に対して残酷になれるのかと思う一方で、それに抗う人間の良心や強さといったものが描かれている。
山崎豊子さんの洞察力は卓越している印象を受けました。
沈まぬ太陽は日航機墜落事故を小説化した本なので、事故の詳細を知る上でも勉強になることが多いかもです。
ゴールデンウィークは時間があるので続編に読む時間を充てることができそうです。