抜本的な経営改革の難しさがまざまざと書かれています。
既得権益を守ろうとする者が、あの手・この手で会長の改革を阻止する様は滑稽さよりも人間の恐ろしさを感じさせます。
現代でも抜本的な改革で苦労している経営者はいますが、本書に書かれているような改革阻止の動きをみると、一度全部破壊(破産)してしまった方が直しがスムーズなのでは?と思ってしまいました。
それぐらい人間の既得権益を守ろうとする力は強いです。
自分もそうなるのかもしれない(実はなっているのかもしれない)と思うと、何のため会社かよくわからなくなりますね。
正常に機能しない組織はお客様への本質的なサービス提供をないがしろにするところから始まるような気がします。
改めて大企業の経営者で抜本的な改革を行おうとする人は、リーダーシップ・批判を受け止める強靭な意思・強い権限・遂行をサポートしてくれる信頼できる仲間を持っていないと断行できないですね。
山崎豊子さんの小説は人間心理の描写も凄いですが、企業経営に関する記述も多いので、経営学としても学ぶことは多分にあると思います。