小説を読んできたなかで、不毛地帯は好きな作品の1つです。
「不毛地帯が何がすごいのか?」
これを読んだことがない人にわかりやすく説明するのが非常に難しいものの感想と合わせて書いてみることにしました。
①複雑な人間心理描写が生生しく素晴らしい
主人公だけでなく、壱岐が勤めている商社の社長や幹部、または一社員まで喜び・熱意・懊悩・怒り・悲しみ、といった繊細な心理が丁寧に書かれているため一人ひとりの感情が理解できます。
そのため、自然と感情移入してしまい本作品により惹かれていくのかなと思いました。
②壱岐正の圧倒的なスケールの大きさに惹かれる
仕事にて学ぶところがたくさん書かれています。
例えば、
部下からのレポートは結論と理由を3つまでしか書かせているところ、など。
私は壱岐正のグローバル的、戦略な考え方が自分もできたらいいなあと思いながら
自分の仕事ぶりをつい振り返ってしまいます。
私だけ?かもしれないですが、戦略的思考が本書で学べると思っています。
③圧倒的なリアリティ
2巻では航空自衛隊の次期戦闘機(FX)購入に対して東京商事と政治家、役人、新聞社との駆け引きや取引がたくさん書かれています。
フィクションとは謳っているものの、とにかく筆者の取材量は圧巻と評判が立っていることから、リアリティがとてもあり、これはもしかしたら本当(事実)のことが書かれているのではないか?と思うぐらいです。
④著者の思い
主人公や志ある登場人物達のセリフを通して、著者の現社会に対する問題提起が
書かれているような気がしてなりません。
不毛地帯では多くの組織のしがらみやお金に利権が絡み、複雑化してきている
会社や社会に対して、本来あるべき正しい決断ができる人になって欲しい。
そんな訴えを本書から感じます。
私はたくさん本を読んできていますが本書は自分のなぜか人生節目節目で読んでいます。
きっと、自分にとって本書から自分の行動指針を見直したい本になっているんだと思います。
まさに自分にとってのバイブル、かもしれません。
是非、本書は一度は読んで欲しいです。
特にこれから社会人になる人に読んで欲しいです。
きっと、社会人として学べることがたくさんあると思います。
また商社の仕事もスケールは大きすぎるかも?ですが一端は理解できると思います。
オススメです。