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Stats of My Life(おいしい人生を味わうために、コツコツとチャレンジしたことを書くブログ)

役員になれる人の「日経新聞」読み方の流儀(著者:田中慎一 2022年22冊目) #読書 #経済 #経営

 

 

 

私は日経新聞を定期購買していますが、各経済指標の意味をきちんと理解していなかったので本書はとても有益でした。

 

国が緩やかな物価上昇を目指す理由が自分はわからなかったのですが、

 

物価上昇率を目標とするかというと、上昇するまえに消費や投資が換気されて経済が活性化するから

 

上記説明はとても腹落ちしました。

 

物価上昇率が著しい場合は逆に消費が縮小されますし、物価下落率も企業の売上が落ちるので、最終的には消費者の給与にも影響が出てくると理解しました。

 

また、改めてGDPとはなんだろう?という答えも本書はわかりやすく書かれています。

 

GDPとは「国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計」

 

付加価値とは売上高ー仕入高、つまりは粗利と理解するとわかりやすいと思います。

 

付加価値は裏を返せば「消費」(お金を使った)と言い換えられます。

消費観点だと下記式で表現できます。

 

GDP = C + I + G + (Export- Import)

 

C:民間部門の消費支出
I:民間部門の投資支出
G:政府部門の投資支出
輸出(Export)ー輸入(Import)=貿易収支

 

会社の設備投資などは「I:民間部門の投資支出」に該当して、

政府の財政政策は「G:政府部門の投資支出」に該当します。

 

昔は日本で道路を作ると道路工事を受注した会社は利益が上がって、その会社の従業員の給与が上がる。そして、道路が完成するとその近辺のお店も潤い、物流も促進されてさらなる経済効果が見込める。。。

 

これを「乗数効果」と言うそうですが、成長フェーズでは財政政策をすると乗数効果が出ていたそうですが、今の日本は成熟社会なので思ったほど乗数効果は出ていないそうです。

 

また、金融政策に関する記述もあって、それもとても勉強になりました。

 

金融政策とは「世の中に出るお金の量を減らす or 増やす」ことを言います。

 

お金の量を減らすと金利が上昇し投資や消費が減少する。

 

一方で、お金の量を増やす(金融緩和)と金利が低下し、投資や消費が増加するのが一般だそうです。

 

金融緩和によって大量で出回ったお金は、金利の高い国に行くようになります。

 

日本で金融緩和をすると日本円が売られて、外貨通貨を買うので日本円が安くなります。そうすると不動産や株価にいくためバブルが起きやすくなるそうです。

 

昨今のニュースでは、アメリカの金利上昇の話題がホットですよね。

金利が上がると借金をしている途上国にとってはダメージが大きいそうなので、アメリカの金利が上がるor上がらないは世界経済に大きな影響を与えるんですね。

 

ちなみに、量的緩和とは国債を国が自ら買い取ることによって、民間にお金が行き渡るようにする施策のことを指します。

 

具体的には、国債を持っている民間銀行は国が買い取って当座預金にお金が入っても当座預金金利がゼロである以上、利益を生まない資産を大量に抱えることになります。

 

そうすると、もっと利回りのいい株式・不動産への投資や事業会社への融資にお金を振り向かせようとするそうです。

 

ただし、過去日本でこれを試しても思った以上に効果は出ていないとも聞きます。

 

本書では財務諸表の説明や事業の各評価指標の説明もあって、そちらも勉強になりました。

 

今まで経済の本や、事業評価&分析に関する本をたくさん読んできましたが、バランス良く学べる、とても良い本だと思います。

 

多くの人に読んで欲しいです。

 

<メモ>

景気動向指数(CI)
⇒景況感を表す指標を指標化したもの。GDPに影響を与える消費や投資などの要素をすべてこの指数

日銀短観業況判断

⇒企業のいまの気分を表したもの

プライマリーバランス
⇒政策的経費を税収でどれだけまかなえているかを表す重要な指標

EBITDAの6倍から10倍が事業価値

・日本の上場企業の営業利益率の平均は5%
・営業利益率や経常利益率が10%を超えていると、きわめて優等生

・上場企業の一人あたりの営業利益は平均100万から200万。300万円を超えれば優等生