「企業ブランディングが大事だ!」
と過去の会社で社長に言われたことがあるものの、自分の中でブランディングが何たるかを理解していないため本書を買って勉強してみました。
結論、自分の中でブランディングについてはある程度、こういうものだっていうのはざっくりですが理解できました。
本書が特に良かったは、ブランディングはビジネス戦略であるため3C分析やKGI・KPIと絡めてブランディングの戦略や戦術についての記述が丁寧に書かれていたことです。
「ブランディングとは、ブランドに対して生活者からの感情移入を創り、指名買いし続けてもらえる状態を創る取り組み」
上記の下線部がとてもわかりやすかったです。感情移入が入らないものはブランディングではないのがポイントです。
ある消費者がアップル製品は洗練されたデザインでカッコイイと感じる場合は、アップルは感情移入を創り出していると言えます。
本書で何度も書かれていたことがですが、ブランディング活動するための分析は企業側の勝手な都合になりやすいと強調されていたことです。
顧客理解するためのペルソナといった分析は一旦は、企業側の都合はなしにした上で分析することが重要だと理解しました。
経営戦略に関する本を数冊読んだ上で、本書を読むと経営観点としてのブランド戦略の理解がきちんとできるので、そこからブレイクダウンされる戦術的な分析手法やブランディング活動も腹落ちしやすいと思います。
ちなみに経営戦略に関する本は今まで何冊も読んで来ましたが、私は↓が1番しっくりときました。
各種経営戦略手法がなぜ利用されるようになったのか?その背景にある時代の変遷がきちんと書かれているのが秀逸だと感じました。
ブランディングの関する本は本書が初めてですが、とても良かったです。
おすすめです。
<重要メモ>
目指すべき将来像を「企業・ブランド側」に置くのではなく、「より良い社会・ライフスタイル」に置くことができれば、ブランドが示したゴールは生活者に限らず、社会との共有・共創が可能になる
CPAとは獲得顧客1人当りのコスト
獲得顧客1人当りのコストが下がれば、事業全体の変動費が下がる。
すると、事業利益が拡大し、次の成長に向けた潤沢な投資が可能
過去の小さな問題を一つ一つ解決していけば、いつかは問題のない完璧な理想像が実現するはず、というのは錯覚。
短期的な課題と長期的な課題は、その性質が大きく異なる以上、わけて考えるべきです。
ブランド連想は「生活者の認識の内側」で「長期的」に創られる。
ブランディングは機能・デザイン・メッセージなどに関する多くの情報を意味的に関連付けてパーソナリティにまとめ上げ、そのパーソナリティを記憶し続ける方が、機能・デザイン・メッセージなどをバラバラに記憶するよりも効率的に記憶することができる
消費者セグメンテーションとは?
自社ブランドに感情移入してもらいやすく、購入し続けてもらいやすいターゲットを発見することを目的に、消費者を分類すること
ターゲティングとは?
生活者とブランド双方の利益を最大化するために、どのような生活者にマーケティング資源を集中するかを決めること
ターゲットとは一塊の消費者郡に過ぎない
ターゲットの根底にある価値観や行動特性などを把握することはできない
→ターゲットからの逆算発想ができない
売上=ターゲットリーチ☓トライアル購入率☓リピート購入率
ターゲットを絞るという考え方は、限られたターゲットに対してブランディングの資源を集中させることでトライアル購入率とリピート購入率を引き上げる取り組み
ペルソナをデザインする際の注意点
まずは商品のことを頭から切り離して、ペルソナを取り巻く環境や感情を徹底的に考え、想像する
差別化が置いている前提とは?
競合ブランドとの「比較」が前提
比較した上で「競争優位」を築くことが前提