1巻から12巻まで一気買いして読んでみました。
ファンタジーな世界観や魔法バトルや階級に挑むのは、他の漫画と同じではるものの、主人公のフリーレンが過去の勇者達との思い出をはぜる内容には、読み手に訴えるものがあります。
回想シーンに考えさせられたり、共感したりするのは子供よりも大人のほうが多いかもしれません。
下記は一例です。
生きているということは誰かに知ってもらって覚えていてもらうことだ。ほんの少しでいい。誰かの人生を変えてあげればいい。きっとそれだけで十分なんだ。
確かに小さな人助けだ。きっとこんなことをしたって世界は変わらない。でも僕は目の前で困っている人を見捨てるつもりはないよ。
人生ってのは衰えてからのほうが案外長いもんさ。
必要なものは覚悟だけだったのです。必死に積み上げてきたものは決して裏切りません。
大人になって人との距離感がわかるようになると、衝突をすることすら避けるようになる。
人間には寿命がある。私達よりも死に近い場所にいるんだ。人生には重大な決断をしなければならないときがいくつもあるが、あの子達はそれを先送りにできないんだ。
私達は人間だ。生きられる時間は限られている。“いつか”なんてときは私達の人生には存在しない。本当に愚かだ。
人類は古来より未知を未知のまま扱う能力を持っている。そしてそれは、最も原始的で理論的な行為の積み重ねによって生み出される。“観測”だよ。
どこかノスタルジックな気分とさせる言葉が多いですが、作者がフリーレン達キャラクターを通じて伝えたい作者のメッセージが明確にあるように思います。
私はマハトととの戦いのところが1番面白かったのですが、人間と魔族とでは決してわかりあえないこともある、というのがキーメッセージなような気がします。
マハトを通じて、人間もどこか自然科学の発達によって万能感を持ち得たような錯覚に陥っていることに警鐘を鳴らしているような感じがします。
なんでもわかろうとすると、結局は破滅してしまうものもあるのかなと。
人生の過ごし方を考えさせてくれる漫画かなと。