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Stats of My Life(おいしい人生を味わうために、コツコツとチャレンジしたことを書くブログ)

「世界標準の経営理論」読みました。(著者:入山章栄 2020年76冊目)

経営理論を勉強したく本書を買いました。

 

私はもともとMBAに興味があるのですが、まずは可能な限りこういった本で学んで、それでもMBAに行かないと学べない場合に目指したいと思います。

 

本書では経済学、心理学、社会学の理論を学ぶことができます。

頭に叩き込んで日々の仕事に活かしたいと思います。

 

・経済学ディシプリンの経営理論

 

概要:主に「市場」に焦点を当て、そこから導かれるSCP理論やRBVを解説。完全競争市場では企業は儲からず、独占市場に近づくほど企業は超過利潤を得られる。したがって、「完全競争市場が成立するための4条件をいかに崩していくか」が、SCP・RBVの根底にあった。

 

条件1:市場に無数の小さな企業がいて、どの企業も市場価格に影響を与えられない

条件2:その市場に他企業が新しく参入する際の障壁がない。その市場から撤退する障壁もない

条件3:企業の提供する製品・サービスが、同業他社と同質である。すなわち、差別化がされていない

条件4:製品・サービスをつくるための経営資源(技術・人材など)が他企業にコストなく移動できる。例えば、ある技術が企業Aから企業Bに流出したり、人材が企業Cから企業Dに障壁なく移動できる

 

語彙力ないですが、市場を独占できると高利益を得られると解釈しました。 

 

下記は経済学ディシプリンの理論で自分がメモしたものです。

 

大前提:企業・消費者が合理的な意思決定を行う

 └競争戦略の理論

  └SCP理論・・・構造的に儲かるグループと、儲からない業界の違いを説明する

   完全競争は儲からない。いかにして競争環境を完全競争から乖離させるか?

   自社の周りの競争環境を少しでも独占に近づけた起業が安定して高い超過利潤をあげられる

   ネットワーク効果・・・ユーザーにとって、他の多くの人が同じ製品・サービスを使うほど、自身もそれを使う効用が高まる

  └RBV理論・・・企業内部の経営資源に着目する。

   <前提>

   ・各企業の経営資源は異なる

   ・各企業の経営資源は各企業間を移動しない

   

   ・持続的な競争優位

    └経済価値

    └希少性

    └模倣困難性

    └代替性

   ・RBVが実務で使えない理由

    └RBVはフレームワークが貧弱

    └メッセージ性が弱い  

 

 └組織の経済学  

  ・情報の非対象性を取り入れる

  ・アドバース・セレクション

   └エージェンシー理論

   人が合理的だからこそ、組織の問題は起きる

   モラル・ハザード問題

   プリンシパルとエージェントは利害・関心が異なる(目的の不一致)

   プリンシパルはエージェントの行動を把握・監視できない(情報の非対称性)

 └ ゲーム理論

         企業の競争戦略・社会の慣習・制度の成立・相手を信じるという人の心にまで、ゲーム理論は洞察を与えてくれる

 

  └リアルオプション理論

  <メリット>       

    ・ダウンサイドの幅を抑える

    ・アップサイドのチャンスを逃さない

    ・不確実性が高いほど、オプション価値は増大する

    ・学習効果

  <コール・オプション>

  不確実性が高い時に、いきなり相手企業の株式をすべて買収するべきかに注目した。このようなときと、まずは部分出資を行ったり、あるいは相手企業と合弁を組んだりして、事後的に不確実性が下がってから残りの株を買う

 

 ゲーム理論がまだまだわからないことが多かったです。もっと勉強しようと思います。

 

・マクロ心理学ディシプリンの経営理論

 

私は会社も組織も人で構成されている以上、"ヒト"のことを知る必要があると考えます。

 

人の真理を基礎に、企業・組織・ビジネスのメカニズムを解き明かすアプローチには、みなさんも納得がいくだろう。

認知心理学は、人・組織の「周辺環境から情報を認識・収集して、それを処理し、アウトプットを生み出すプロセス」に着目する

 

組織意思決定の循環プロセス

サーチ・・・もともと認知が限られている組織が自身の認知の範囲を広げ、新たな選択肢を探す行動

アスピレーション・・・自社の将来の目標水準 

 

ブレストはアイデアを出す上では必ずしも効率が良くないことも指摘されている

プロダクティビティ・ロスといって、経営学ではよく知られた事実だ

10人の集団でブレストを通じてアイデアを出すのと、10人それぞれが個別にアイデアを出して後でそれを足し合わせるのでは、アイデアの量と質も後者の方が高くなる傾向が、多くの実証研究で示されている。気兼ねしてしまうから、大胆な意見を出さないから

 

組織の成長は「進化するルーティン」で決まる

 

 

・ミクロ心理学ディシプリンの経営理論

 

 "ヒト"が陥りやすいバイアスや傾向を学ぶことができます。

 ・リスク性向⇒同じ成功確率の事業でも、人は資産が大きいほどその事業への投資をためらいがち

 ・プロスペクト理論⇒リファレンス・ポイントで損をするほど、追加的な損失に対して鈍感になる

 ・エスカレーション・コミットメント⇒事業の失敗が明らかにもかかわらず、撤退ができず、失敗事業にさらに資金を注ぎ込んでしまう

 

 

他にも、社会学ディシプリンの経営理論など学べますが、血肉化するには時間をかけて学ぶ必要があると感じました。

 

私が敬愛する、出口治明さんはビジネスに携わる人はこの本は必読とおっしゃっていました。頭に叩き込んでおきます!