"繰り返し読んでも腹落ちしない"
本書を読んだ感想はこの一言に付きます。けど、著者の訴えにはなぜか真摯に受け止めたいと考えるに至り、時間を許す限り読んでみました。
人間の活動的生活を労働、仕事、活動の3つに分けそれぞれの意義を明らかにした後、現代では労働が仕事や活動に対して圧倒的な優位に立っているとした
労働優位の政治表現が社会主義であることはもちろん、自由主義社会もまた労働優位と経済重視の社会であり、その点では社会主義社会と同じと考え、双方を含む現代社会を根底的に批判した
伝えたいことは上に要約されると思うのですが、その結論に至るまでのプロセスの記述に対して、私の理解が及ばず頭から煙がでることが多かったです。
たぶんですが、当時の社会背景もさることながら、マルクスやアリストテレスなど著名な作品の理解がきちんとないと、話についていけないと感じました。
著者の考察は政治、経済だけではなく人間とは何かまで書かれたものだと解釈しています。
簡易な本だけではなく、本書のように骨太な本を真剣に向き合って、頭から煙を出す経験はこれからもしていきたいと思います。
オススメです。