どんな会社の成功を支えるのも、人だ。
マネージャーのいちばん大事な仕事は、部下が仕事で実力を発揮し、成長し、発展できるように手を貸すことだ。
われわれには成功を望み、大きなことを成し遂げる力を持ち、やる気に満ちて仕事に来る、とびきり優秀な人材がいる
優秀な人材は、持てるエネルギーを解放し、増幅できる環境でこそ成功する
職場環境と高いパフォーマンスとの高い相関があると理解し、コミュニケーションが会社の命運を握ると信じていたビル・キャンベルのコーチング手法が書かれています。
もしかしたら、日本では経営コンサルタントの方がしっくりくるかもしれないです。何にしてもビル・キャンベルは偉大なコーチスキルを持っていたことは間違いなく、その一端を知ることができる本です。
ビル・キャンベルがコーチとして大事にしていたポイントは下記であり、高いパフォーマンスを出すための前提条件と理解しました。
・正直
・誠実
・部下の成長に手を貸すのが上司の役目
⇒例:ツール・情報・トレーニング・コーチ
・敬意:一人ひとりの意見を尊重する(どうなりたいのか?など)
・信頼:部下に決定を下させる(主体的・当事者意識)
⇒質問を言うが、答えは言わない
強い信頼関係(心理的安全性)が「チームのIQは個人のIQを上回る」と信じ、敬意を持ちながらも周りを叱咤激励していたのが垣間見える内容でした。
育成をしている自分にとっては、本書はとても学びが多くあり、振り返りとして最適でした。
また、↓のGoogleのフィードバック項目はとってもいいですね。暗黙的にGoogleが目指すべきリーダー像がわかったり、高い成長を促す内容が書かれています。
<Googleで長年採用されていた同僚フィードバック調査>
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・核となる属性
この人物の過去12ヶ月間について、あなたは次の項目にどの程度同意できますか?
□職務でめざましい業績を挙げた
□世界クラスのリーダーシップを示した
□グーグルと所属部門の両方にとって最善の成果をもたらした
□イノベーションやベストプラクティスを取り入れることによって、グーグルに可能なことの限界を押し広げた
□同僚と効果的に協力し(たとえば力を合わせる、同僚とのも問題や障壁を解決することなど)所属チーム内でもメンバーの協力を促した
□上級チームのミーティングに大いに貢献した(たとえば十分な準備をして臨む、積極的に発言する、じっくり耳を傾ける、率直で敬意のこもった態度を取る、建設的な反対意見を述べる
・プロダクトリーダーの属性
この人物は過去12ヶ月間に次の分野で模範的リーダーシップをどの程度発揮したか?
□プロダクトのビジョン
□プロダクトの品質
□プロダクトの実現
・自由回答式の質問
□この人物を差別化し、有能にしているものは何だと思いますか?
□この人物をさらに有能にし、さらに大きなインパクトを与えられるようにするために、あなたならどうアドバイスしますか?
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他読んでいて、私が刺さった内容を箇条書きですが書いてみました。
良かったら参考下さい。
<メモ>
・最適解ではなく、最高権力者へのロビイングに長けた者、言い換えれば政治が処理を収める
・コンセンサスを目指すとグループシンクに陥り、意思決定の質が低下しがち
・最適解が生まれない場合、マネージャーは決定を促すか、みずから決定を下さねばならない
・誠実な意思決定をする
⇒すぐれたプロセスに従い、個人のためではなく会社のためになることをつねに優先させて決定を下す
・人は誰しも真価を認められたい生き物
⇒報酬は経済的価値だけでなく、感情的価値の問題でもある
報酬は会社が承認、敬意、地位を示すための手段であり、人々を会社の目標に強く結びつける効果
・信頼を確立することは、心理的安全性を育むための主要な条件だ
・利口ぶるやつはコーチできない
・コーチは教える相手がどれだけ自己認識ができているかを知る必要がある。コーチは相手の強みと弱みを知るだけではなく、相手が自身の強みと弱みをどれだけ認識しているかを知らなくてはならないのだ
・本当は親身になりつつ、厳しく挑戦を促すべきだ。高い基準と期待を示し、それに到達できるよう励ましを与える
・チームを最適化すれ問題は解決する
<ビルのヒアリング方法>
・何にとりくんでいるのか?
・うまくいっているか?
・何か力になれることはあるか?
コーチングっていまいち個人の裁量によるところが大きいイメージがありますが、本書をみると、コーチになる人は厳しい審査を経た人がなるべきと思いました。
コーチされる人にとってすれば、その人の影響をもろに受けてしまうので、、、