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Stats of My Life(おいしい人生を味わうために、コツコツとチャレンジしたことを書くブログ)

本質的なコンサルティングの在り方を理解したい方にオススメ:「プロフェッショナルコンサルティング」( 作者:波頭亮 富山和彦 2023年40冊目) #コンサルティング #仕事

 

少し年月が経っている本ではあるものの、たくさんの学びが多くあったので、自分が刺さった文章をもとに整理してみました。

 

戦略コンサルタントの歴史がわかったりするので、昨今コンサルティング業界就職が人気となっていますが、トップコンサルタントコンサルタントに対する見解(主に戦略コンサルタントに対してですが)が記載されているので就職前には一読しておくことをオススメします。

 

1.【大前提】

そもそも株式会社とは、基本的には資本が利益を得るために作り上げたシステム。世の中に経済的なバリューを創出することによって、そこから利潤を得て、それがその資本を拡大させる。

<会社の要件>

・利潤の追求・バリューの創出・組織による活動

<各要件の本能>
利潤追求は資本の本能をもち、会社の本能。だから環境変化にミートしようとするし、顧客のニーズにミートしようとする

一方で会社にはもう1つ厄介な本能。組織の本能が求めるのは自己増殖と変化の排除

⇒葛藤と相互依存っていうパラドックスを内包している仕組み

 

2.【時代の変遷】

・優れた戦略さえ作れば業績が良くなった時代の終わり

 ※補完的なグローバル競争からガチンコのグローバル競争へ

・戦略をいかに強力によりも、いかに合理的に推進するかという、組織力が問われるようになった。戦略の方は負けていても、組織力が勝てば、総合力でいえばOKになる

・組織の実行力が戦略の自由度を決める時代

 S:Strategy

 O:Organization

 L:Leadership

 V:Vision

 E:Executon

・インテリジェンスがビジネスの軸になってくると、価値の源泉は資本による設備から人に変わってくる

 

3.【時代の変遷に伴うコンサルタントの変化と危惧】

・企業の経営戦略においては情報技術や財務に関する高度な専門性が求められるようになってきたことに対応して、経営戦略そのものを扱う"戦略系"コンサルティングは難しくなってきた

 ⇒すごくよくできたカローラ売りが横行するコンサルティング業界

・発注者側が肝を求めているのに、コンサルタントから少年少女探偵団が作成したようなレポートが上がってくる

・一流企業の管理職の方と対等にビジネスの話ができて、少しでも有効なアドバイスができる人は少数。さらに企業の経営や事業オペレーションに対して、明確な付加価値のあるクリエイティブな提案を作ることができる人となったらさらに少数

コンサルティングファームでも9割はオペレーショナルな仕事

・経営企画の下請けになるか、トップコンサルタントになるかの二極化

・クライアントの人材育成がクライアントのバリューを1番極大化できる手立てなってきた

 

4.【あるべきコンサルタント像】

・もうちょっと本物とも言える世界で、自分なりの、ある種の人生の自己証明をしたい人は、もっともっと前に出なくちゃいけない

・クライアントとの関係はどっちが考え尽くしたかという真剣勝負

・トップコンサルタントは自説こそ決定打であると主張する。

 

5.【コンサルタント育成観】

・優秀なコンサルタントを育てようと思ったら、10人中1人、10年も15年もかかってやっと育つ

コンサルタントには哲学や政治学の知識も求められる

MBAで学べることはコンサルタントっで必要な能力の1/10

・小さくとも一気通貫のビジネスをする

・英語がうまくしゃべれるかどうかは本質的な問題ではない

・ロジカルさとは独立と相関、次元の統一、因果の強さを理解しているか?

 ⇒独立関係でなければ相関ではないが、相関でないからといって独立関係ではない、ということはない

ロジカルシンキングだけではなくロジカルコミュニケーションが重要

・ずっと弱い相手と戦っていると、マックスの能力水準は徐々に低下

 

6.【戦略コンサルタントの醍醐味】

・たとえば全社戦略とか、あるいは因子が増えれば増えるほど,構造的に考えるときにすごくいろんな因子を考えないとだめ

 ⇒人事組織・財務・マーケティング・包括的な理解と判断ができるというものが、戦略コンサルタントの醍醐味

  ⇒あるべき経営戦略に方向転換させることこそトップコンサルタントの本分