論理的思考は社会人として必須スキルだと思います。
ただ恥ずかしながら、自分が普段言っていた「論理的」というのは本書で書かれているほど、意味的な厳密さはなかったです。
なので、改めて論理とは?論理的とは?をきちんと理解したく、本書で重要だと思うところを1枚のスライドにまとめてみました↓
自分でサマリーや感想を書いてみることは理解しているかどうかの確認が
できるのでオススメです。
また、本書では思考についても書かれています↓
■思考とは
「思考とは情報と知識を加工すること」という定義を示したが、その思考の工程はミクロで見ると「情報を要素に分けて、比べて、くくる」作業をしているのであり、思考とは情報「分ける」「比べる」「くくる」こと
思考の結果としては次の2つに大別される↓
・「事象の識別」・・・「それが何か」が分かることであり、「これは菜の花だ」「この症状は風邪の症状だ」という分かり方
⇒識別の発展系として体系化と分類化が可能になる。これによって、具体化と抽象化といった、次元の拡大が可能になる
・「事象間の関係性の把握」・・・原因と結果の関係や、無関係であることが分かること
⇒この関係性は「独立」「相関」「因果」の3つに整理できます。
ちなみに因果関係があると認定する場合は下記条件を満たす必要があります。
・原因事象が必ず先に起きて結果事象は必ず後に起きるという、時間的秩序が存在すること
・原因事象が結果事象を引き起こす意味的連動性が認められること
意外とわかっているようでわかっていなかったことが、思考のアウトプットは事象の識別と関係性の把握の2つに収斂されることです。
■論理的思考のコアスキルは次の3つ
・適切な言語化 言葉の選択・十分な文・文脈・文章
・分ける・繋げる
・定量的な判断
これらの土台となる知識・経験がたくさんあること
適切な言語化ができるためには知識・経験がたくさん必要と記載があるので、
読書はコアスキルを鍛えるのにいいかもしれないですね。
定量的な判断は「確率」と「統計」によって担保されている
■統計
・代表値の主なものは、平均値・中央値、最頻値
・中央値は全てのデータを大きい順もしくは小さい順に並べた時に中央にくる値を指す
・最頻値は全てのデータの中で最も多く出現する数のこと
統計と確率をきちんと使いこなせることは重要です。
■論理的思考の訓練
①タテの因果・ヨコの因果
②ベン図を用いた集合関係の判断
③ピラミッドストラクチャーによる体系化
④フィルミ推定による定量化判断
フェルミ推定とは何らかの数を定量的に測定することが難しい場合に、手掛かりとなるいくつかの数値を使って定量的推論
⑤正反の立論
本書では論理的思考の訓練方法についても記載がありました。
訓練方法まで書かれているなんて、大変ありがたいと感じました。
<重要メモ>
・人間の脳は、基本的には時間やエネルギーを十分に使って慎重に判断を下すようにはできておらず、通常、省エネで迅速に、だいたい正しい答えを得るような情報処理を行っている。
・普遍的妥当性の度合い
数学的/論理学的公理>自然科学的法則>法律・制度>社会科学的法則>道徳律・生活規範>個人的経験・意見
・「分ける」ことと「繋げる」ことは論理を組み立てる思考作業そのもの
・「事象を要素に分けて」、「他の事象の要素と意味的につなげて」いくことによって、新しい意味合いを得ていくことこそが思考作業そのもの
・手を使って考えること、経験と紐付けて考えること、集中して考えることが重要
■まとめ
本書に出会えたことに大変感謝しています。
冒頭でも書きましたが、社会人の必読書と言っても過言ではないと思います。
多くの人に本書が読まれることを期待します。
名著です。