はじめに
2023年は81冊読みました。
毎年恒例の今年読んで良かった本を9冊紹介したいと思います。
文量が多くなってしまったので、5冊目までを本記事で紹介して、残り4冊は別記事にて紹介したいと思います。
みなさんの読書ライフの一助となれば幸いです。
1.「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」(山口周)
規律と遊びのバランス、人材の創造性、多様性の重要性、上下間の風通しの良さ、イノベーティブなアイデアの生み出し方、日本の特性、報酬に対する考え方、指令を受けたエリートと好奇心に突き動かされた起業家の違い、不確実性に対処する方法、イノベーションの時間と成功率、合理的な解の重要性などについて述べられています。
組織論は自分としてはとても興味があって、どんなチーム&組織を組むといいかあれこれ考えていたなかでとても勉強になることが多かったです。
<刺さった内容>
・権力格差指数
値が大きいほど上位者に物申しにくいことを表します。個人がいくらクリエイティブでも組織が個人をダメにするパターンもあると理解するといいと思います。日本は権力格差指標が大きいそうです。
・多人数で目利きするシステム
なるほど、と思ったのがアイデアを考えるのが得意な人と、それをビジネスにすることが得意な人とが分かれることもあるそうです。
・多様性は属性ではなく、意見の多様性
・多様な意見を促す、多様な意見を認める
・上下間の風通しの良さ
・異なる分野のクロスオーバーするところにこそイノベーティブな志向が生まれる
・イノベーティブなアイデアの多くは、領域横断的なところで生み出されることが多い≒専門家じゃないとアイデアを生み出せないはNG。むしろ素人であればこそ。
・日本の特性
「自分は何をできるか、という論調ではなく、なんとかしてくれと騒いでいるだけ」
「権力弱者が支配者に依存している傾向」「権力格差が大きい日本では、権力弱者が支配者に依存する傾向が強く、中央集権化が進むと指摘」
耳が痛い話ですが、自分の年代は自ら行動して問題解決していきたいです。
・予告された報酬は人間の創造的な問題解決能力を著しく毀損する
最も少ない努力で最も多くの報酬を得られるためになんでもやるようになる。加えて、選択の余地が与えられれば、そのタスクを遂行することで自分の知識や知識を高められる課題ではなく、最も報酬が多くもらえる課題を選ぶようになる
・合理的な解は、そもそも合理的な解になり得ない
パラドックスな感じですが、イノベーションにおいてはこの考え方はとても重要です。コンサル業務にどっぷり浸かっていると、
・人の動機
達成動機→設定した水準や目標を達成したい、という動機
親和動機→他者と親密で有効な関係を築き、これを維持したいという動機
パワー動機→自分の好意や存在によって組織や社会に影響を与えたいという動機
企業における人材配置は、職務の重要性と人材の能力をリニアな関係で捉えて、より重要性の高い任務に、より高い能力を有する人材をあてはめる、という単純な考え方が主流となっています。
任務と能力の関係はそのような単純なものではなく、能力の背後にある「動機」が大きくパフォーマンスに影響する
・課題優先型の仕事ばかりやってきた人はイノベーションを実現できる人間を、知らずしらずのうちに淘汰している
2.「ホモ・デウス」(ユヴァル・ノア・ハラリ)
人間の未来と技術の進化、データ主義の台頭、新しい社会の形成、人間の役割と価値、意識と知性の違いなどについて考察しています。
ChatGPT4に整理してもらいました↓
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技術とバイオテクノロジーの進化:人間は技術を使って自身をアップグレードし、病気や老化を乗り越える可能性が出てきている。
データ主義の台頭:データ解析やAIの進化により、人間の意識や意志がデータとして解析される時代が来る可能性があり、これが新しい「宗教」や価値観となるかもしれない。
新しい社会の形成:技術の進化により、伝統的な社会構造や価値観が変わる可能性があり、人間が神のような存在(デウス)になるか、逆に不必要な存在になる可能性もある。
人間の役割と価値:AIやロボットが仕事を奪う中で、人間の新しい役割や価値は何か?という問いへの考察。
意識と知性の違い:AIが知性を持っても、それが意識を持つこととは異なる。この違いが未来の人類にどんな影響をもたらすのかについての考察。
著者は人類の未来におけるこれらのトピックを深く掘り下げ、技術的進化が人間の生命、社会、価値にどのような影響をもたらすかを考察しています。
3.「レオナルド ダ・ヴィンチ」(レオナルド ダ・ヴィンチ)
レオナルド・ダ・ヴィンチの手記を通じて、彼の探求心、観察力、芸術と科学に対するアプローチ、人生訓などが紹介されています。
物事を深く考察する人はすべからくメモ魔な感じがします。書くことは深く考えることができますよね。下記はレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉の引用です。とても深いです。
<刺さった内容>
・私の仕事は、他人の言葉よりも自分の経験から引き出される。
・経験こそ立派な先生だ。
・人間はやり通す力があるかないかによってのみ、称賛または非難に値する。
・何かを主張をするのに権威を持ち出す人は全て、知性を使っているのではなく、ただ記憶力を使っているだけである。
・つねに恐れつつ進まぬ者は、数々の侮辱にあい、しばしば悔いることになる。
・充実した一日が幸せな眠りをもたらすように、充実した一生は幸福な死をもたらす。
・私を軽蔑するな、私は貧乏ではないからな、やたらに沢山のものを欲しがる者こそ貧乏なのだ。
・優れた画家はふたつのものを描く。人と人の心の動きである。
・質素であることは最も素敵なことだ。
4.「岩田聡はこんなことを話していた。」(ほぼ日刊イトイ新聞)
岩田聡の言葉や経営、ゲーム開発に対する考え方、マネジメントの重要性などが述べられています。
「面白さを見つけることのおもしろさに目覚める」
この言葉がとても気に入っています。好奇心が強い人は他の人がしんどいと思うこともおもしろさを見つけてしまう才能があると思っています。
岩田さんは社長としても、とても素晴らしい考えをお持ちの方なんだなって思いました。
<刺さった内容>
・経営危機に陥った会社というのは、社員からみたら不信のかたまり。
「会社の指示に従って仕事をした結果がこれか?」というのが本音ですから。
・バカモン!と安心して言うことができる、言われた方も素直に受け止めてくれる関係性
・全社員との面談を通じてわかったことは「人は逆さにして振らないとこんなにもものを言えないのか?」
(ただし、相手とのあいだに理解と共感がないのであれば、面談をしてもいい会にはならない)
・ボスが自分のことをわかってくれる会社、ボスが自分の幸せを考えてくれる会社で働きたい。さらには自分が変わったら、それをきちんと理解してくれる会社で働きたい
(みんな納得して働きたい。けど、普通の社員は会社の決定にある背景とかがわからないことが多い)
・相手の立場にたって話をしている、考えているはずなのに、直接ひとりひとりとはなしてみるとこんなにも発見があるのか?
5.「30代からの幸福の経済学ー「わがまま」で豊かな生き方」(波頭亮)
幸福と経済成長の関係、個人の幸福の追求、経済指標と実生活のギャップ、民主主義と既得権益の問題、個人の価値観の重要性などを探求。個々の幸福論とは何か、またそれをどのように見出すかについても述べられています。
自分がどう人生を生きるのかを考えるにおいて、とても考察深いことが書かれていてとてもためになりました、
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【幸福の定義】
F(h)=f1(d)+f2(m,t)+f3(o)+c
h: happiness(幸福)
d: desire(欲望)
m: money(お金)
t: time(時間)
o: options(選択肢)
c: circumstances(環境)
環境は住環境や今の日本など、地政学的なことも含まれたもので、どれだけお金や時間があっても、極端なことを言えば戦争状態では幸せは享受できないです。
一方、時間・お金がないと、やりたいことをするフィジビリティがない状態を意味します。日本はお金を稼ぐことに終始して、時間がなくなっていまっているのが大半です。
欲望も、昔は耐久消費財を持つが一種のステータスでしたが、ある程度の物質的な享受を満たせる時代では、個人として必要なものかどうかの基準がとても重要になる。
生活者の大半は余暇の楽しみ方やモノの購入・消費のスタイルにおいても、GDPの拡大に極めて効率的に貢献するよう、生活と人生を固められている。
残り4冊の執筆が完了したら、別記事紹介します。